小山市神鳥谷の耳鼻咽喉科、気管食道内科
医療法人豊友会 豊島耳鼻咽喉科クリニック

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ダニによるアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

アレルゲン免疫療法(減感作療法)のひとつで、アレルギーの原因であるアレルゲンを舌の下に少量から投与することで、からだをアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
この治療により、アレルギー症状を改善したり、長期にわたり症状をおさえられる可能性があります。
ただし、アレルゲンを投与することから、アレルギー反応がおこる可能性があり、まれに重篤な症状が発現することもありえます。また、すべての患者様に作用が期待できるわけではありません。
治療は3~5年と長期にわたりますが、内服薬や外用薬のような対症療法とは異なり、アレルギーに対して改善の期待できる治療法です。

舌下免疫療法の実際

検査によりダニによるアレルギー性鼻炎と診断された成人、および5歳以上の小児の患者様が治療を受けることができます。
服用方法は、アレルゲンを含む治療薬(ダニアレルゲンエキス)を舌の下に1分間保持したあと飲み込みます。1日1回、3~5年続けます。注射ではないので痛みはなく、初回投与以外は、自宅で服用できます。
治療のスケジュールは、初回のみダニ舌下錠を医療機関で服用し、初めの1週間は3,300JAUを服用し、2週目以降は10,000JAUを服用します。その後は定期的に受診しながら、長期間服用し続けます。
スギ花粉舌下の薬価は、1週目の3,300JAUが1錠68円、2週目以降の10,000JAUが1錠206円となっています。

舌下免疫療法の副作用

副作用は、①服用後30分以内 ②服用開始から1カ月位 ③スギ花粉飛散時期におきやすいので、注意が必要です。
よくみられる副作用は、口の中特に舌の下の腫れですが、通常は食事や会話に差し支えるほどにはなりません。
ショックやアナフィラキシーがおこる可能性があります。この場合、じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(顔面蒼白、意識の混濁など)がみられます。
こうした副作用が起こりうることを理解したうえで、治療にのぞんでください。

舌下免疫療法を希望される方へ

舌下免疫療法を希望される方は、以下の6つの項目すべてに「はい」と答えられた場合のみ、当クリニックにご相談ください。

  1. 長期間の治療を受けられる。
  2. ダニ舌下錠の服用(舌の下に1分間保持)を毎日継続できる。
  3. 少なくとも1カ月に1度受診することができる。
  4. すべての患者様に作用を示すわけではないことが理解できる。
  5. 効き目があって終了した場合でも、その後効き目が弱くなる可能性があることが理解できる。
  6. アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあることが理解でき、副作用がおきたときの対応が理解できる。

舌下免疫療法が受けられない方、注意が必要な方

以下の4項目に該当する方は、舌下免疫療法を受けることができません。

  1. アレルギー性鼻炎の原因がダニではない方
  2. 重い気管支喘息の方
  3. がんや、免疫系の病気がある方
  4. 5歳未満の小児

また、舌下免疫療法に際して注意が必要な方は、次の6項目に該当する方です。該当する方は、医師とよく相談のうえ、治療方針を決めるようにしてください。

  1. 高齢の方
  2. 妊婦の方、授乳中の方
  3. 抜歯後など口内に傷や炎症のある方
  4. 重症の心疾患、肺疾患および高血圧のある方
  5. 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
  6. ダニ以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方